ご挨拶
一般社団法人 聴竹居倶楽部 設立への想い
藤井厚二が短いながらも所属した株式会社竹中工務店が2016年12月に「聴竹居」を取得・所有し、同時に日常維持管理と公開活動を担う一般社団法人聴竹居倶楽部が設立されました。
これを受けて以下の想いを多くの皆さんと共有しながら、今後さらに建築文化の醸成と発信に努めたいと考えています。
─聴竹居・愉しむ─ 「日本の住宅」を地域から世界へ
藤井厚二も主著「日本の住宅」の中で、住宅とは「単に構造が堅牢にして震火風雨及び腐朽等に対して安全であり、且つ生存に必要なる衛生的の諸種の条件を完全に満たしたるだけでは不十分」であり、「精神上にも慰安を与え、各人の性情に適応したる愉快なものである」と述べています。様々な方々が「聴竹居」を「愉しむ」ことで、藤井厚二の「日本の住宅」と言う考え方を世界に向けて発信できればと思います。
1. 聴竹居を活かして次代に遺し、地域社会に貢献する。
京都府乙訓郡大山崎の皆さんと協力しながら聴竹居と言う建物を積極的に公開活用していくことで次代に遺し存在し続けることで、大山崎町在住の方々が地元に愛着とプライドを持って頂けるのではないかと思います。
2. 藤井厚二「日本の住宅」と言う想いを次代に伝える。
藤井厚二が自らの住まいを実験の場としながら、日本人にふさわしい「住宅」の近代的な様式を確立しようとした想いを再確認し、次代に伝えていくことが大切だと思います。藤井厚二も「其の国の建築を代表するものは住宅建築である」と述べています。
3. 聴竹居を活かし真の日本と日本人の暮しを見つめる。
藤井厚二と聴竹居は、「日本」の四季や、「日本人らしい暮らし」の大切さも教えてくれています。日本人が忘れかけている自然豊かな国土や四季の変化から生まれた「お茶」「お花」「陶芸」などの「生活文化」を見直すきっかけづくりにもなると思います。
今後とも引き続き、この活動にご協力して頂ければと思います。何卒、よろしくお願いいたします。