「河口龍夫 − 聴竹居で記憶のかけらをつなぐ」展

2013年3月、「河口龍夫 − 聴竹居で記憶のかけらをつなぐ」展 を開きます。
東日本大震災からもうすぐ2年がたちますが、いまも心に傷を抱える人たちがいます。
この展覧会では、人間の記憶と深く結びついた種子、貝殻、雨、涙、匂い、旅などをモティーフにした河口龍夫の手のひらにのる小さな作品を展示し、訪れる人々の五感に働きかけることを試みます。
そのことを通して、人々が自分の言葉や感覚、記憶を呼び覚ますきっかけを見つけることを願っています。
河口龍夫は、日本の現代美術を代表するアーティストです。
河口は、聴竹居と地元の人々の保存活動に触発され、この家に寄り添うような展示を行うことで、かつてこの場所にあった暮らしの気配を呼び起こしたいと考えています。
代表作「HIROSHIMAのたんぽぽ」から大山崎と縁ある竹の根を使った「聴竹根」、種子に香りを添えた新作まで約60点を展示し、収益の一部が聴竹居の保存修復費として活用されます。
初春の大山崎に「記憶のかけら」を探しにどうぞいらしてください。

*全プログラム申込受付は終了しました

◎見 学  
日 時:2013年3月2日(土)10:00/11:00/12:00  3月3日(日)10:00/11:00/12:00

◎トーク1 「アートと哲学/語ることと聴くこと、そして希望を抱くこと」
日 時:3月2日(土)14:00 -16:00
話し手:河口龍夫(現代美術家,筑波大学名誉教授,京都造形芸術大学客員教授)
鞍田 崇(哲学者,総合地球環境学研究所特任准教授)

◎トーク2 「アートと建築/家、記憶、闇、光をめぐって」
日 時:3月2日(土)17:00 - 19:00
話し手:河口龍夫
堀部安嗣(建築家,京都造形芸術大学大学院教授)
森  桜(アート・コーディネーター,当展企画者)

◎茶話会1 「アートと香り/触れること、嗅ぐこと、そして思い出すこと」
日 時:3月3日(日)14:00 - 16:00
話し手:河口龍夫
鞍田愛希子(植物研究家,河口龍夫の香りを添えた新作制作協力者)

◎茶話会2 「お茶とお菓子とアートと3.11以後のくらし」
日 時:3月3日(日)17:00 - 19:00
話し手:河口龍夫
森  桜

■会 費
見 学 1,300円(建物見学料1,000円込)
トーク 2,000円(見学料1,300円込)
茶話会 2,000円(見学料1,300円込,お茶と「餅匠しづく」特製和菓子付) 
*見学料の一部は、聴竹居の保存修復費として活用されます。

■定 員
見学 各20名 / トーク 各40名 / 茶話会 各25名

■主 催
「河口龍夫展 - 聴竹居で記憶のかけらをつなぐ」展実行委員会

■協 力
いわき市立美術館,餅匠しづく,柳々堂,リレーションブリッジ,石田嘉宏,荻野和雄,河口千賀子,河口祐毅,
木村幸央,小西章子,齋藤さだむ,齋藤多賀子,平野明彦,松隈章,松村智子

■後 援
聴竹居倶楽部

■企 画
森オフィス,アトリエ・ミショー

河口龍夫作品:左から[写真1-3]photo by Saito Sadamu

■展示作品(予定)
・「真珠になった種子からの香り」
・「旅のために・一粒の蓮の種子からの香り」[写真1]
・「白い真珠になった種子」[写真2]
・「漂流した竹に付着した蓮の種子」[写真3]
・「聴竹根」
・「鉛の言葉」
・「15年前の雨」
・「関係−水・涙」
・「関係−植物・HIROSHIMAのたんぽぽ」ほか約60点

河口龍夫(現代美術家,筑波大学名誉教授,京都造形芸術大学客員教授)
日本の現代美術を代表するアーティスト.「関係」をキーワードに人と物と事との見えないつながりをかたちにして表現する.1940兵庫県生まれ,1962多摩美術大学卒業,近年の主な個展に京都市美術館(1999),兵庫県立美術館(2007),名古屋市美術館(2007),東京国立近代美術館(2009),いわき市立美術館(2012).主なグループ展に「東京ビエンナーレ1970人間と物質」,「第8回パリ・ビエンナーレ」(1973),「前衛芸術の日本」(1986),「大地の魔術師たち」(1989),「大地の芸術祭・越後妻有アートトリエンナーレ」(2000,03,12),「瀬戸内国際芸術祭2010」 
http://www.tatsuokawaguchi.com/

鞍田 崇(哲学者,総合地球環境学研究所特任准教授)
アートをはじめ,様々なジャンルを手がかりに,現代社会における環境問題の思想的意味を問い,それを表す言葉を探究する.1970兵庫県生まれ,2001京都大学大学院修了,博士(人間・環境学).主な著書に『〈民藝〉のレッスン つたなさの技法』(編著,2012),『焼畑の地球学』(編著,2011),『古寺巡礼 高山寺』(共著,2009),主な訳書に絵本『たべることはつながること』(共訳,2009),『雰囲気の美学』(共訳,2006)

堀部安嗣(建築家,京都造形芸術大学大学院教授)
人の営みと風景との調和を考え,いつの時代にも変わることのない建築の価値を追求する.1967神奈川県生まれ,1990筑波大学卒業後,益子アトリエ(益子義弘)勤務を経て,1994堀部安嗣建築設計事務所設立,アートと関わりのある作品に「ある町医者の記念館」(1995),「伊豆高原の家」(1998),「牛久のギャラリー」(2001),「赤城のアトリエ」(2003),「アビターレ玉川田園調布」(2003),「KEYAKI GARDEN」(2008) 
http://www1.ocn.ne.jp/~horibe-a/

鞍田愛希子(植物研究家,アトリエ・ミショー主宰,河口龍夫の香りを添えた新作制作協力者)
触る,嗅ぐ,味わうなど,植物を体内に取り込む利用法を通して,農薬を使わない切り花や苗の普及活動を行う.1980大阪府生まれ,2003立命館大学卒業,植木屋と花屋勤務を経て,京都市花き振興協会主催の花き消費拡大プロジェクトに参画,2011アトリエ・ミショー設立.主な講座の企画に「大人の学び」(2011-),「flow perfume.flow...」(2012-) 
http://atelier-michaux.com/

石田嘉宏(和菓子職人,餅匠しづく店主,当展特製和菓子制作者)
1963大阪府生まれ,1945創業の和菓子店の3代目,岸和田と大阪に3店舗を構え,同店の生菓子すべてを1人でつくる.材料にこだわりを持ち,特に3.11以降は,生命の源としての食のあり方を追求する. http://mochi-shizuku.com/


■プレ企画
会 名:レクチャー&ワークショップ/植物とアート1
   「河口龍夫-聴竹居で記憶のかけらをつなぐ」展プレ企画
    種子に未来を託すこと
日 時:2013年2月9日(土)17:30 - 20:00
会 場:VADE MECVM. Showroom #2 Gallery Shop + Cafe(大阪・京町堀) 
講 師:森 桜,鞍田愛希子
詳 細:http://atelier-michaux.com/event/AM/VM_05.html